昭和24年03月24日 参議院 大蔵委員会

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民主党(自由民主党) 油井賢太郎
次に、灘方面の酒の問題であります。酒の税金というものは御承知の通り非常に高いのであります。一例を挙げますれば、大阪と神戸の中間にあります尼ケ崎近辺におきましては、一部落が全部密造の根拠になっておった。而も2000数百人の朝鮮人或いは日本人が協同して大掛かりの密造をやっておるという所もあって、これを押えようと思って参りましても、とても100人や200人では、あべこべに取巻かれて散散な目に遭うというような状態になっておるのだそうです。

これに対しましては先般トラックを30台、警察官等が約1300人くらいの大勢を以て一挙に殲滅したというような話もあったのでありますが、何しろ酒の密造につきましては実に大掛かりでありまして、主食の問題から申しましても、この点は酒税をもっと安くして、而ももっと殖やして行った方が却って税金を余計取れて、密造というようなことをなくする原因になりはしないかという意見が相当に強かったのであります。