昭和27年04月15日 参議院 大蔵委員会

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日本社会党(社会民主党) 菊川孝夫
それは法律上誠に今平田局長からやる決意を述べられましたし結構だと思います。我々も賛成でありますが、実際問題として特に外国の軍隊が長い間占領をしておりましてそうしてようよう占領が駐留に切替えられたときでも、彼らは駐留軍の軍隊というものは何だか占領意識というものはなかなか容易に抜け切れないものでありまして、これはエジプトにおけるイギリス軍隊或いはインドにおったイギリスの軍隊の例を見ましても、なかなか日本の収税官吏、又は税関官吏等に対しましてはもう問題にしないというのが多い。一体条文におきましてはなるほどそういう了解がつきましても、末端へ参りますと非常な紛争が起きることを当然予想しなければならんと思います。

現に大蔵省の収税官吏等はこの間も大阪で第三国人、朝鮮人の密造部落襲撃に当りまして日本の警察では手が出なかった、2回に亘ってやった、而も危害を加えられておるという事件も起きておりますが、ああいう事件はよもや起きまいと思いますけれども、軍人、軍属でございますので武器を皆携帯いたしております。

従ってこういうことをやるには相当身体の危険も考慮に入れてやらなければならん、こういうことをやらせようとする、今平田さんが言われたようなことをやらせようとする場合には、それによって生ずる危険の保障ということも考慮しなければならんと思いますが、平田さんこういう法律をこしらえてこれからあなたの所属、いわゆる大蔵省の所属のこれらの官吏にやらせようとするのでありますが、これらの保障につきましては相当お考えになっておりますか。